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― 人と人が理解し合える未来と、私たちの歯科医療 ―

子どもの頃の憧れ

子どもの頃から、ガンダムが大好きでした。

ガンダムに乗りたい。
ガンダムパイロットになりたい。
そして、ニュータイプになりたい。

そんなことを本気で思っていました(笑)。

ニュータイプとは、『機動戦士ガンダム』に登場する、人類の新しい可能性を示す概念です。

優れた戦闘能力や特殊な感覚を持つ存在として描かれる一方で、その根底には「人と人が互いを理解し合えるようになるのではないか」という理想がありました。

私がニュータイプに憧れたのは、特別な能力を持ちたかったからだけではありません。

もし、人と人が本当に分かり合えるようになったら、争いや戦争のない世界が実現するのではないか。

そんな未来があるなら、どれほど素晴らしいだろう。

子どもながらに、人類の持つ可能性に心を惹かれていたのだと思います。

選択理論心理学との出会い

大人になり、私は「選択理論心理学」と出会いました。

そこで学んだのは、人はそれぞれ異なる願望や価値観を持ち、他人を直接コントロールすることはできない、ということです。

私たちは、相手の心を完全に理解することはできません。

同じ出来事を経験しても、感じ方や受け止め方は一人ひとり違います。

最初は、その現実に少し寂しさを感じたこともありました。

でも、今はこう思っています。

「相手のことが分からないからこそ、理解しようとすることに価値があるのではないか」

分からないからこそ、理解しようとする

相手が何を考えているのか分からない。

だから、尋ねる。

相手が何を大切にしているのか分からない。

だから、耳を傾ける。

自分とは違う考え方に出会う。

だから、理解しようと努力する。

もし相手の心がすべて分かってしまうなら、こうした努力は必要ないのかもしれません。

でも、私たちは相手の心が分からないからこそ、信頼を育てるための行動を自分で選ぶことができます。

そして、その行動は、きっと周囲の人にも伝わっていくのではないでしょうか。

誰かが相手の話に耳を傾ける。

その姿を見た誰かが、また別の人の話に耳を傾ける。

そうして、理解しようとする姿勢が少しずつ広がっていく。

特別な能力は真似できなくても、相手を大切にする行動は誰にでも真似できる。

そこに、人類の持つ素晴らしい可能性があるように思うのです。

もちろん、価値観の違いや意見の対立がなくなるわけではありません。

それでも、相手を自分の思いどおりに変えようとするのではなく、互いを理解しようとする。

違いがあっても、尊重し合える関係を築いていく。

そんな人が少しずつ増えていけば、社会も変わっていくのかもしれません。

歯科医療に通じる想い

歯科医療も同じだと感じています。

私たちは、患者さんの気持ちをすべて理解できるわけではありません。

例えば、同じ治療方法をご提案しても、患者さんによって大切にしたいことは異なります。

できるだけ歯を残したい方。

痛みや不安を少なくしたい方。

治療にかかる時間や費用を大切にしたい方。

ご自身の生活や将来の健康について、じっくり考えたい方。

どれも、その方にとって大切な価値観です。

だからこそ、私たちは丁寧にお話を伺い、その方が何を大切にされているのかを知ろうとする姿勢を大切にしたいと考えています。

そして、歯科医療の専門家として必要な情報をお伝えし、一緒に考え、納得できる選択につなげていきたい。

これは患者さんとの関係だけではありません。

一緒に働くクルーに対しても同じです。

一人ひとりが異なる願望や価値観を持っているからこそ、互いを知り、尊重し、成長し合える関係を築いていきたい。

まだまだ、私自身もできていないことがたくさんあります。

だからこそ、これからも学び、実践を重ねていきたいと思っています。

ニュータイプになれなくても

子どもの頃、ニュータイプという存在に、人類の未来への希望を感じていました。

そして今、私は少し違う形で、その希望を感じています。

「分かり合えるから、争わない」のではなく、「完全には分かり合えないからこそ、理解しようとする」。

その小さな行動の積み重ねが、信頼を育み、よりよい未来につながっていく。

ニュータイプになれなくても、ニュータイプが夢見た世界を目指すことはできる。

そんなことを、今は考えています。

私たちの医院が、患者さんにとっても、クルーにとっても、互いを尊重し、安心して自分の想いを伝えられる場所でありたい。

これからも、一人ひとりの価値観に寄り添いながら、健康を守り育てる歯科医療を目指していきます。

そして、やっぱり今でも、ガンダムには乗ってみたいです(笑)。

えだ歯科医院
院長 吉田 幸司