電話を掛けるWebで予約診療時間地図

先日、2日間のリードマネジメント スタンダードコースに参加し、組織づくりや人材育成、リーダーシップについて改めて学ぶ機会がありました。

その中で、

「これまで、マネジメントについて体系的に学んだことがありますか?」

という問いがありました。

改めて自分自身の歩みを振り返ってみると、歯科医師になる以前、海上自衛隊で学び、実践してきた大切な土台があることに気づきました。

それが、**「指揮・管理・統率・CRM」**です。

P-3C機長として学んだ「チームで任務を達成する」ということ

私は歯科医師になる前、海上自衛隊でP-3Cの操縦士・機長として勤務していました。

航空機の任務は、一人の優秀な人間だけで成り立つものではありません。

それぞれ異なる専門性と役割を持ったクルーが、一つの目的・任務を共有し、それぞれの力を発揮し、互いに補い合うことで初めて遂行することができます。

そこで私が学んできたものを、現在の自分なりに振り返ってみました。

指揮

目的と任務を明確にし、状況を把握して意思決定を行い、その結果に責任を持って組織を任務達成へ導くこと。

管理

人・物・時間・情報・手順・環境などを整え、組織が安全かつ確実に任務を遂行できる状態をつくること。

統率

単に命令によって人を動かすのではなく、リーダー自身の能力や人格、そして日々の関わりによって、一人ひとりの意欲と能力を引き出し、チームの力を最大限に発揮させること。

そして、もう一つ大切に学んだものが**CRM(Crew Resource Management)**です。

「機長だから正しい」のではない

人間には限界があり、どれほど経験を積んだ人であっても、判断を誤ることがあります。

だからこそ、

情報を共有する。
役割を分担する。
互いに確認する。
必要なことは立場にかかわらず伝える。
互いの弱みを補い、強みを活かす。

利用できるあらゆる資源を活用し、チーム全体として安全かつ高いパフォーマンスを発揮する。

これが、CRMを通して学んだ大切な考え方でした。

航空機では、機長が最終的な責任を負います。

しかし、「機長だから正しい」ということではありません。

誰かが違和感に気づいたのであれば、それを言葉にすることがチームを守ります。

大切なのは、

「誰が言ったか」ではなく、「何を言っているか」。

その一言が、大きな事故を防ぐこともあります。

そのため私は、責任の所在は明確でありながら、誰もが必要なことを伝えられるチームというものを大切にしてきました。

機長から院長へ

海上自衛隊を離れ、歯科医師となり、現在は院長という立場になりました。

仕事は大きく変わりましたが、振り返ってみると、今の医院づくりにもこの原点はつながっています。

大切なのは、院長一人が優秀になることではありません。

歯科医師、歯科衛生士、歯科助手、受付など、一人ひとりがそれぞれの役割と強みを持っています。

それぞれが自分の力を発揮し、互いに補い合いながら、

「患者さんや地域の方々に、より良い価値を届ける」

という共通の目的に向かって進めるチームをつくること。

そして、リーダーである自分自身が、その責任を引き受けられる人間であること。

これは、機長だった頃から現在まで変わらず大切にしていることです。

「操縦は人格である」

海上自衛隊時代から、私が大切にしてきた言葉があります。

「操縦は人格である。」

操縦技量だけでは、良い機長にはなれない。

どのように判断するのか。
仲間の声をどう聴くのか。
困難な状況でどう振る舞うのか。
責任をどう引き受けるのか。

そして、自分自身がどのような人間であるのか。

今振り返ると、この言葉は操縦だけの話ではなかったのだと思います。

歯科医療も、医院づくりも、人材育成も同じです。

知識や技術を磨くことはもちろん大切です。

しかし、それを扱う私たち自身がどのような人間であり、どのような思いで患者さんや仲間と向き合うのかも、同じように大切なのだと考えています。

これまでの学びを、今の医院づくりへ

今回、新たにリードマネジメントを学んだからこそ、これまで自分が学んできたものの価値にも改めて気づくことができました。

同時に、

「これまで大切にしてきたリーダーシップを、今の自分ならどのように捉え直すのか」

という新たな問いも生まれました。

海上自衛隊で学んだ「指揮・管理・統率・CRM」。

そして現在学んでいる「選択理論」と「リードマネジメント」。

一見異なる学びのようでいて、そこには多くの共通点があると感じています。

これまでの経験を大切にしながら、新しい学びも取り入れ、一人ひとりが安心して力を発揮し、主体的に患者さんや仲間のために行動できるチームを目指して、これからも医院づくりを続けていきたいと思います。