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こんにちは。
えだ歯科医院 院長の吉田幸司です。

2026年7月、保育士試験に合格しました。

合格したことはとても嬉しかったのですが、その一方で、ずっと感じていたことがあります。

「資格は取った。でも、私には保育の現場での経験が圧倒的に足りない。」

試験勉強で知識を身につけることと、実際の子どもたちと関わることは違います。

そこで今回、ご縁をいただき、つくば市のしおどめ保育園つくばを見学させていただきました。

子ども自身が「考え、選ぶ」主体的保育

朝の保護者からの受け入れから始まり、サークルタイム、お散歩、公園や園庭での遊び、そして給食まで、約4時間にわたって実際の保育の様子を見学させていただきました。

その中で特に印象に残ったのが、しおどめ保育園で大切にされている**「主体的保育」**です。

大人がすべてを決めて、子どもたちをその通りに動かすのではありません。

子ども自身が考え、選択し、行動する。

先生方も、怒鳴ったり大きな声で子どもたちを動かしたりするのではなく、一人ひとりの主体性を大切にしながら関わっていらっしゃいました。

朝の「サークルタイム」では、先生と子どもたちが輪になり、みんなで話し合います。

子どもは単に「大人から指示される存在」ではなく、自分で考え、選ぶ一人の人として尊重されているのだと感じました。

「見守る」だけでは、子どもを守れない

一方、お散歩に同行させていただくと、主体性を尊重するだけではない、もう一つの大切な側面が見えてきました。

17人ほどの子どもたちを、3人の大人が引率して公園へ向かいます。

車が来れば、子どもたちを安全な場所へ誘導する。

公園では、故障している遊具を使わないようにする。

危険があれば、大人が判断して止める。

そこには、子どもたちの自由や主体性を大切にしながらも、守るべきところでは大人が責任を持って守る姿がありました。

私はここで、とても考えさせられました。

「見守る」と「守る」は、どう違うのだろう。

大人は、いつ介入するのか

わずか4時間の中でも、子ども同士にはたくさんの小さな出来事が起こります。

「やめて」と言われても、何度も繰り返してしまう子。

遊んでいる途中で痛い思いをして、泣いてしまう子。

そんなとき、

大人はいつ声をかけるのか。
いつ止めるのか。
どこまで本人たちに任せるのか。

すぐに大人が解決してしまうことが、本当に子どものためなのか。

反対に、「子ども同士のことだから」と何もしないことが、主体性を尊重することなのか。

保育士試験には合格しましたが、私にはまだ分からないことばかりです。

そして、こうした一つひとつの判断こそ、教科書を読むだけでは身につけられない**「実践知」**なのだと思いました。

主体性を大切にすることは、放任することではない

今回の見学を通して、私なりに一つ感じたことがあります。

それは、

主体性を大切にすることは、放任することではない。

ということです。

安全を守らなければならないところでは、大人が責任を持つ。

一方で、子ども自身が経験し、考え、選択できるところでは、すぐに大人が答えを出すのではなく、その力を信じて待ってみる。

その「境界」を見極める力を、私もこれから現場から学んでいきたいと思います。

子どもたちから迎え入れてもらった4時間

そして何より心に残っているのが、子どもたちとの時間です。

初めて会った私のところへ、子どもたちが次々にやってきて、

「一緒にやろう!」

「どこから来たの?」

と声をかけてくれました。

中には、自然に私の手を握って一緒に歩いてくれる子もいました。

私が子どもたちを見に行ったはずなのに、いつの間にか私の方が子どもたちに迎え入れてもらっていたように感じます。

とても温かく、居心地のよい時間でした。

お昼には、園内で作られた給食までご馳走になりました。

魚のフライ、きんぴらごぼう、なめこのお味噌汁。

とてもおいしくいただきました。

子どもたちが普段過ごしている時間を、食事まで含めて体験させていただけたことにも感謝しています。

この学びを、えだ歯科医院の小児診療へ

私は歯科医師です。

歯科診療では、どうしても、

「お口を開けてね」
「動かないでね」
「もう少し頑張ろう」

と、大人が子どもを「動かそう」としてしまう場面があります。

もちろん、安全に診療するためには、大人が決めなければならないこともあります。

でも、その中にも、

「どちらからやってみようか?」
「鏡を持ってみる?」
「今日はどこまでできそうかな?」

など、子ども自身が考え、選び、診療に参加できる余地をもっとつくれるのではないか。

今回の保育園見学を通して、そんなことを考えるようになりました。

私が保育士資格を取得した目的は、「保育士」という肩書きを増やすことではありません。

歯科医師として、これまで以上に子どもの発達や気持ちを理解し、子どもたちの成長を支えられるようになりたい。

そのための学びの一つです。

「子どもを動かす」のではなく、
「子ども自身が一歩を踏み出せる環境をつくる」。

そんな歯科医院を、これから少しずつつくっていきたいと思います。

保育士資格を取ったことをゴールにせず、これからも保育の現場や子どもたちから学び続けていきます。

最後になりましたが、今回、貴重な見学の機会をくださったしおどめ保育園つくば 久松悦子園長先生をはじめ、温かく迎えてくださった先生方、そして子どもたちに心より感謝申し上げます。

本当にありがとうございました。