投稿日: 2026-09-28
先日、ある物語を観ていて、未来の自分が過去の自分に会いに来る場面がありました。
未来の自分は、これまでの人生で経験した後悔を抱えながら、過去の自分に大切なことを伝えようとします。
その場面を観ながら、ふと思いました。
もし20年後の自分が、今の自分に会いに来たら、何と言うだろう。
私は歯科医院の院長として、
患者さんの健康を守りたい。
一緒に働く仲間にも成長してほしい。
そして、より良い医院をつくりたい。
そんな思いを持っています。
けれど、その思いが強ければ強いほど、
「こうした方がいい」
「こうしてほしい」
と、自分の考えを伝えることに一生懸命になってしまうことがあります。
相手のため、患者さんのためと思っている。
けれど、本当に私がなりたいのは、自分の正解を上手に伝えられる人ではなく、人の話を素直に聴ける人なのだと思います。
選択理論やリードマネジメントを学ぶ中で、最近特に大切にしたいと思っていることがあります。
それは、相手と意見が違ったときほど、すぐに自分の答えを伝えないことです。
まず、
「そう思ったんだね。もう少し聞かせてもらっていい?」
と聴いてみる。
なぜそう思ったのか。
何を大切にしているのか。
本当はどうなりたいのか。
相手の考えを理解しようとする。
もちろん、院長として伝えなければならないこともあります。
医療を提供する組織ですから、患者さんの安全や健康のために大切にしなければならない仕事の基準もあります。
だから、何でも相手に合わせるということではありません。
聴く。
理解しようとする。
そして、必要なことは率直に伝える。
そのうえで、
「では、一緒にどうしていこうか?」
と考えていく。
そんな関係をつくっていきたいと思っています。
もし20年後、これまで一緒に働いてくれた仲間たちと昔の話をする機会があったとします。
そのとき、
「先生、あのとき私たちの話をもっと聞いてほしかった」
と言われるのではなく、
「自分の考えを安心して話せる医院だった」
と思ってもらえる組織をつくりたい。
そう考えると、まず変わらなければならないのは、周りの誰かではなく私自身なのだと思いました。
聴く。
待つ。
理解しようとする。
言葉にすると簡単ですが、実践するのはなかなか難しいことです。
だからこそ、日々の診療やミーティング、1on1など、一つひとつの関わりの中で練習していきたいと思っています。
これは、一緒に働く仲間との関係だけではありません。
患者さんとの関係でも同じだと思っています。
私たち歯科医療者には、検査結果や医学的な根拠をもとに、専門家として必要なことをお伝えする役割があります。
一方で、患者さんにも一人ひとりの人生があり、大切にしていることがあります。
「できるだけ自分の歯を残したい」
「まず痛みを何とかしたい」
「治療に不安がある」
「これからは悪くならないように予防していきたい」
私たちが「正しいことを伝える」ことに一生懸命になるあまり、その方が何を大切にしているのかを聴けなくなってしまったら、本当の意味でその人に寄り添うことは難しいのかもしれません。
だからこそ、患者さんとの関係でも、
「あなたは、どうしていきたいですか?」
と聴くことを大切にしたい。
患者さんのお話を聴く。
私たち専門家として大切だと考えることも、きちんとお伝えする。
そして、一緒により良い方法を考えていく。
そんな関係を築いていきたいと思っています。
私たちが目指しているのは、誰か一人の「正解」だけで動く医院ではありません。
院長がすべての答えを持ち、みんながその指示に従う組織でもありません。
患者さんのために、一人ひとりが考える。
気づいたことを伝える。
意見が違えば話し合う。
そして、それぞれの専門性や経験を持ち寄って、より良い答えを一緒につくっていく。
私はそんな**「円卓会議」のようなチーム**をつくっていきたいと思っています。
そのためには、院長である私自身が、
「自分が話すこと」より、「相手の話を聴くこと」
をもっと大切にできる人になる必要があります。
私自身も、えだ歯科医院も、まだまだ成長の途中です。
だからこそ、これからも医療の知識や技術だけでなく、人との関わり方についても学び続けていきます。
そして20年後の自分に、
「あのとき、変わろうとしてよかった」
と言ってもらえるような今日を、一日ずつ積み重ねていきたいと思います。
